京都在住シングルファーザーおじさんのつれづれ雑記帳

京都在住おじさんによる匿名の日記です。ネットのすみっこでひっそりと生きています。ただいまシングルファーザーとして生きてます。備忘録ブログ

わたしを離さないで(カズオ・イシグロ)を読みました。

カズオイシグロ

わたしを離さないでを読みました。

 

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読み終わった印象として。

圧巻、そしてとても不思議な本でした。

少しこの本の凄さを理解するのに

時間はかかりはました。

中身についてはふれません…

どんな人がいったいこんな本をかけるのだろうと読み終えて思えてきました。文学でしか表現できないリアリティがあると思わされました。

 

徹底して緻密に構成されている。なんでもないような出来事も含めて。推理小説的に、謎が散りばめられて緻密に構成されているとかそういうのじゃないんです。

 

そして、この物語は、意図的に閉ざされた限界のある世界での人の思考なんだと、恥ずかしながらあとからそこにリアリティと怖さがわいてきました。リアリティがあるのにないような思考の積み重ね。それこそ、本当の現実を生きている僕らには考えられない生き方をしている人物たちなら、こう考えるだろう、と。思考が淡々としている、せざるを得ない背景事情があったからこその読後感で湧いてくる恐怖の感情もあります。

 

私たちは自分と少しでも違うものたちの感情は排除することが可能な生き物なようにも思います。カズオイスシグロの問題提起は僕には鋭すぎて、読中よりも…むしろ読んだあと、突き刺さっていることに気づかされた感じがします。