京都在住シングルファーザーおじさんのつれづれ雑記帳

京都在住おじさんによる匿名の日記です。ネットのすみっこでひっそりと生きています。ただいまシングルファーザーとして生きてます。備忘録ブログ

アマプラで映画視聴54「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」、フィンランド映画。

アマプラで映画視聴54作品目は「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」です。

なんだかんだで数えると今年30本目のアマゾンプライムでの映画視聴です。ネットカフェでの視聴なども含めると月平均3本ほどの映画をみている感じなので、軽めの趣味は映画鑑賞です、と言っても差し障りのないレベルにはあるのかも…。それでもフィンランドの映画を見るのは初めてかもしれません。前回スゥエーデンが舞台の映画「蜘蛛の巣を払う女」をみたのですが、同じ北欧でもフィンランドとスゥエーデンってかなり雰囲気違いますね?

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映画2本みただけで判断はできないけど…「蜘蛛の巣を払う女」と違って、こちらの映画「ラスト・ディール」は、ちょっとずる賢いやつが悪役ででるくらいで、すごく悪い人もすごくいい人もひとりもでてこないヒューマンドラマです。

さてアマゾンプライムでのあらすじは以下

フィンランドの首都ヘルシンキで小さな美術店を営む72歳のオラヴィは、顧客リストは手書きで管理、領収書はタイプライターで発行するなど、いまだに古い商いを続けている老美術商。しかし最近はオンラインギャラリーの勢いにおされ、客足も遠のき資金繰りも悪化、店を畳む事も考え始めていた。そんなある日、美術商仲間に誘われ訪れたオークションハウスの下見会にて、彼は1枚の肖像画に目を奪われる。「男の肖像」と名付けられたその絵は署名もなく出所も不明で、仲間からも購入するにはリスクが高い絵画だと止められてしまう。だがこれまでの経験で価値ある作品と確信したオラヴィは、絵の背面に残された少ない情報を頼りに、2日後のオークションに向け調査を開始するのだが…。」

これ見て、面白そうだなと思ったので見るのを決めました。実は「カイジ」とか「銀と金」とか福本伸行先生の世界観にそまっているものとしては、最低でも億単位の名画をめぐる話かなと思って映画をみはじめました。

ところが、映画で主人公の老美術商が必死で工面する資金は「1万ユーロ」。日本円にして150万円ほど。映画の中のこの金額の感覚がフィンランドという国をよく表しているように思いました。国民性が堅実で真面目というか、そういう雰囲気が映画全体から伝わってきます。映画自体は主人公の老人と、ちょっと問題児の孫との心温まる物語です。長年美術商を営んできた主人公の経験と勘、孫の行動力が埋もれた名画の正体をつきとめていき、オークションに望みます。で、この主人公(おじいちゃん)が、好きなことで生きていく、名画にかかわって一発逆転狙う、家族にも迷惑かけていく、というスタイルの生き方。でも最後まで視聴すると、おじいちゃんの生き方も、それは尊重されるべきだし、家族とか、まわりに迷惑をかけないっていうことばかり強調されるより、個人的にはかなり好きです。僕は他者を傷つけないってのは大事だと思うけど、迷惑をかけたり、かけられたりするのはいけない、とは思ってないので。

さて、映画ですが、とてもとても面白かったです。すごく大きな見せ場というのがあるわけでもないし、予想を超える展開があるわけでもない、でもそこがいいというか、平々凡々と日々を暮らす姿勢の人々と、おじいちゃんと孫のそれぞれの成長、人々の思い…そんなことがじわじわとくる…普遍的な感動がある映画でした。お正月に家族みんなでみればみんなが少しだけいい気持ちになれるようなそんな映画。オススメです!!