4アマゾンプライムでの映画視聴
64作品目は…フランス映画の
「カミーユ」を
視聴しました。カミーユと聞くとZガンダムのカミーユを思い出します。彼は最初に「女性みたいな名前だな」と言われ、むかついて軍人(ジェリド)を殴るシーンがありましたが、まさにその名前「カミーユ」が本作の主人公の名前です。
(映像はお借りしました)
理想に燃える若きフォトジャーナリストのカミーユは、内戦前夜の中央アフリカへと向かう。そこで目にしたものが彼女の運命を大きく変えていく...。(アマゾンプライムより)
26歳で亡くなった実在した報道カメラマンのカミーユ・ルパージュさんをモデルにした作品です。と、聞くと理想と希望に燃える若き女性カメラマンの生き様を正面から描きながら、内戦の国(中央アフリカ)の実情を知らせつつ、社会への問題提起と思ってみたのですが…いい意味で予想がはずれて、実は予想したよりも面白かったです。
というのも、この映画比較的淡々とドキュメンタリー風にカメラマンのカミーユさんに密着するという形で映画がすすんで行くのですが、カミーユさんの希望や理想というのが、見る人によっては、ちょっとアレって思うようにも描かれているんですよね。センセーショナルなシーンはあまりなく映像はすごく抑えています。死体のシーンはありますが、それもこういうテーマの作品にしてはかなり「マイルド」に描いてあり、目を覆いたくなるような映像はほぼいれてありません。
主人公がグイグイと遠慮なく取材対象である中央アフリカの人たちに入り込んでいく姿と同時に、現地に踏み込みすぎることをベテランカメラマンにたしなめられるんですが、そういうことを本人は本当に何も気にしない。そして主人公のカメラマンとしての技量が弱いことをさらっとディスるシーンがあったり、恵まれた環境で育ちながら承認欲求がとても強いことが描かれていたり、します。そういう部分をサラッとドキュメンタリー風にみせることで、現地でのめり込むカミーユと、報道写真家としてあくまで現地には写真を撮りにくることがメインの大物カメラマンたちと、どちらが正しいのかみたいのは映画では誘導はしてないように思います。そのあたりをドキュメンタリー風映画にすることでうまく表現している、なんか斬新な作品でした。
これ難しい問題提起ですよね、ルールも状況もまったく違う他国の状況を「告発」する、というのは、一歩間違えれば「押し付け」になります。この作品は欧米社会の報道の歪みも描きながら、そういう善意の押しつけの危険性も描くという、かなり難しいことを並列してやっている気がしました。