京都在住シングルファーザーおじさんのつれづれ雑記帳

京都在住おじさんによる匿名の日記です。ネットのすみっこでひっそりと生きています。ただいまシングルファーザーとして生きてます。備忘録ブログ

アマプラで映画視聴67「ファウンド」、他人に視聴をすすめられない映画

アマゾンプライムでの映画視聴

67作品目は…「ファウンド」です。Amazonプライムから↓

11歳の少年マーティ。学校ではいじめられ、両親も不仲。そんな彼の楽しみは、家族の秘密をのぞき見すること。お母さんの秘密は、ベッドの下に隠されたラブレター。お父さんの秘密は、車庫の奥のヌード雑誌。だからお兄ちゃんが、クローゼットに生首を隠していても変じゃない。時々変わる生首を、人知れず取り出しては眺めるマーティ。しかしある晩、いつものようにクローゼットを探るとそこには同級生の首が…。僕が秘密を知ってること、お兄ちゃんが気付いたかもしれない…。 (C) Forbidden Films, LLC All Rights Reserved.

FOUND ファウンド(字幕版)

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  • ギャビン・ブラウン
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率直に言うと、他人に視聴をすすめられません。殺人などのシーンが必要以上に長く、グロいしみる必要もないからです。僕は殺人及びそれに準じるスプラッターシーンは10秒スキップをおしまくりました…みたくないし…低予算映画なのですが…低予算だから本当にグロいのです。これはちょっと驚き、血が出るシーンも生首もCGなど使ってないから、逆にナマナマしくて辛いです。映画館では絶対にみたくないですね。

ただ映画の中身は考える点もありました。ネタバレも含めていくつか…アメリカ社会の歪みでもありますかね…

①一つは子どもから見た、社会、親の欺瞞がテーマだと僕には写りました。主人公の少年が歪んだ理由に社会や親の欺瞞がはっきりと描写されています。そしてその中でも最大の欺瞞は父親です。父親はいじめにあった主人公に「殴り返せ」と言ったにもかかわらず、実際に殴り返して相手に怪我を負わせた主人公に激怒します。相手から訴えられるではないか、と。母親も、教会の牧師も同じ、主人公が殴った理由には真面目に耳を傾けずに、どっちもどっちで謝らせてすまそうとします。学校も、親も、牧師も、誰も主人公の内面にむきあいません。

僕の意見は、出発点で子どもの話を聞かず、子どもにむかって「やられたらやり返せ」と安易にいうのは気持ちはわかるけど教育としてかなり悪いのでは?と思ってます。そもそも子どもというのは手加減もわかりません。その報復の先に予想し得ない悲惨な結果になった時に責任をとらない大人の意見が「やられたら、やり返せ」だと思うからです。半沢直樹の「倍返し」に象徴されるように大人も理不尽な社会で生きているから、やられたらやり返せといいたくなるのはあるんでしょうけど、やり返せは実は無責任な意見です。僕は、いじめや暴力を受けて、やり返していない段階の子どもを本気で褒めるべきだと思ってます。中国の故事である、韓信の股くぐりの話が好きです。大成する人物は、何ももっていない段階でさえ、小さなことで喧嘩などはしないものです。馬鹿にされて股をくぐるくらいのことなどなんでもない。大事なのは卑屈にならないことのように思います。

②もう一つは、弟を愛する殺人鬼である「兄」の異常さの背景です。この映画ではさらっと描かれますが、基本的にこの「兄」は黒人しか殺さず、黒人なら殺していいという徹底した人種差別主義者です。つまり暴力と殺人の根底には人種差別があります。そして、この人種差別の思想は親譲りであり、主人公の少年もたぶん引き継いでいます。それは教会の黒人牧師に対する主人公の態度にも現れています。

 などなど、いろいろ考えながらみてました…。グロいけど、いろいろ考えてしまう映画ではあります。アメリカの黒人問題あつかった映画ではブラック・グランズマン、私はあなたのニグロではない、あたりがおすすめ。

ブラック・クランズマン (字幕版)

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  • ジョン・デヴィッド・ワシントン
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