京都在住シングルファーザーおじさんのつれづれ雑記帳

京都在住おじさんによる匿名の日記です。ネットのすみっこでひっそりと生きています。ただいまシングルファーザーとして生きてます。備忘録ブログ

アマプラで映画視聴82「顔のないヒットラーたち」、ドイツ戦争責任論の転換点の法廷ドラマ

ちょっと体調を崩してしまい、夕方まで寝て…その後は映画をみて過ごしました。

アマプラで映画視聴82本目は「顔のないヒットラーたち」です。ちょっと引き続き法廷ものをみております。この映画のテーマは1963年のはドイツのアウシュビッツ裁判です。今でこそ戦後の戦争犯罪人の徹底した追求が言われるドイツのナチスへの犯罪追求ですが、ドイツも実はトップの戦争犯罪人を戦後すぐに捌いた段階でこの追求は終わりという流れが1960年代までありました。その流れを変えたのがこの映画のテーマになっているアウシュビッツ裁判です。

顔のないヒトラーたち(字幕版)

顔のないヒトラーたち(字幕版)

  • アレクサンダー・フェーリング
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映画は全体的によくできています。とくにドイツ国民のかなり多くの部分がナチスを支持し積極的に戦争犯罪に手を染めている様子。そこに対する主人公の容赦のない追求。ここらあたりはほぼ史実に沿って映画をつくっていると思われます。かつてアウシュビッツで残酷な行動を積極的にとった人々が戦後社会で市民として普通に「善人」として暮らしている姿も描かれており、そのあたりに視聴者にいい意味で考える材料を提供しています。紛争レベルなら別ですが、戦争というのは一部の為政者のみの意志や行為でできるものではなく国家総動員なので…。したがって戦争犯罪を追求するということは自分の家族や先祖の犯罪を暴くことになります。その葛藤を乗り越える過程が1960年代のドイツでなされたことは大事なことのように思います。そういう事実にふれることができるいい映画でした。ただ一方で主人公の恋愛など、ドラマの部分はちょっとイマイチでした。清廉潔白で二枚目すぎる主人公にあんまり共感できなかったです。そのあたりの主人公の描き方がいかにもイメージ通りのドイツなのかもしれません。