アマプラで映画視聴230作品目は「ANON アノン」でした。個人的レーティングは6.5/10です。近未来デストピア映画です。ただSF部分はちょっと適当というか…。
地球上の全ての人間の記憶は記録・検閲され、個人のプライバシーも匿名性も失われた近未来。「秘密」はもはや過去の遺物となり、犯罪さえも消滅していた。しかし、起こるはずのない殺人事件が発生。捜査上で頼りになるのは、一切の「記録がない女」(ANON=匿名)だった。事件は何かの始まりを示唆するかのように、次々と発生し…。(C)2017 K5 FILM GMBH ALL RIGHTS RESERVED
まずこの近未来では人間の視覚がすべてネットワークつながっています。そして見えるものすべてにスマートグラスみたいな感じで情報が表示されます。おまけに記録されていてどんな人の過去の映像も見ることができます。しかしこんな完全プライバシーゼロで人の自我は維持できるんでしょうか?個性を重視する人類には不可能な気がします。監視カメラでの圧倒的監視というのは現実に起こってますが、人の視覚に誰でも入れるとなると…よくわからないけど、主人公はわりとすぐ簡単にセックスします。なんかこの人渋い顔して、そうなんだって感じでそれはちょっと面白いです。そして行為中に別の人の映像をみてたりして、そのことを相手に指摘されたり…こんなに視覚が共有化される社会で、性行為も気軽に行われ、映画としてそれをやたら印象付けてくるのもよくわからないです。普通は無理やろって気がしますが…つまりこの視覚共有と記憶媒体はどんなところでも外せない設定になってます。それはそれとして映画は淡々とすすみ、一体だれが視覚を奪って犯罪を犯しているのか、アノン(アマンダ・セイフライド)の存在の秘密を主人公がさぐっていきます。最後はポートピア連続殺人事件みたいな展開にちょっとなります。そして視覚共有に対するイマジンブレーカーはなんと目をつむるです。ここもおいおいって気になりました。そんな古典的な手法が通用するんかよ!って。でもこの時にはすでにもう誰が犯人でもいいかなという気にはなってます。そしてアノンは結局アノンのまま。ただなんでもかんでも記憶しちゃうのは結局思い出を遠ざけることになるよな、ということは思いました。あと現代社会は視覚の共有こそないですが、政府が本気になればこの映画並みに個人情報は丸裸にできるんだろうな、という恐怖感の問題意識はよくわかります。アマンダ・セイフライドも魅力的だし、面白いか、面白くないかと聞かれれば面白かった感じです。モバイルバッテリーは旅行には必須なのでぜひ。