Amazon Prime映画視聴309作品目は「ヌードの夜」——個人的な評価は7.5/10でした。懐かしいなと感じる石井隆監督のハードボイルド系映画。
男は命を賭けた 振り向いてもくれない女に―石井隆が描く、危険で甘美なハードボイルド・サスペンス。石井フィルムノワールの頂点。“何でも代行屋 紅次郎”こと村木(竹中直人)は、事務所を訪れた謎めいた美女・名美(余貴美子)に東京のガイドを依頼される。その夜、都内のホテルに戻った名美は、腐れ縁のやくざ・行方(根津甚八)を浴室で刺し殺す。次の日、何も知らずにホテルを訪れた村木は行方の死体を見つけ、嵌められたことを知る。自分を陥れた女と知りながら、どうしようもないほど名美に惹かれてしまった村木は、運命を狂わされていく…(C)日活
1993年公開当時学生だった僕は「冴えない男が美しい女に魅了される話」と極めて単純に捉えていましたが、今回の再視聴で当時の自分の浅はかさに打ちのめされました(笑)。この作品は一面では、〈社会のレールから外れた者たち〉の共感と分断にあありますね。村木が名美に惹かれたのは、彼女の「ブルジョアの仮面」が剥がれ、自分と同じ社会のレールから外れている人間だと知った瞬間からではないかな?。高級イタリアンレストランでイカ墨パスタを食べる名美にわざと下品な「クソ」の話をする村木の行為は、名美への嫌悪感の心からの表れだった筈です。
同じ意味で、この映画で僕が印象付けられたシーンはもう一ヶ所あります。同性愛者でバーを営む同級生が拳銃を頼む村木に対して金だけ奪ってボコボコにするシーンです。ところが、村木が商社勤めのエリートではすでになく、社会のレールから既に外れて生きていることを知った彼は、拳銃を倒れている村木の横において去るのです。
この映画はヤクザで暴力も使って名美を支配していた行方も含めて、結局社会のレールから外れてしまった者たち「弱者」への慈愛のような視点で描かれています。この頃までのハードボイルドものがみなそうだったように。高度成長期からこの時期まで、社会の分断の線は、レールに乗って生きているものと、レールから外れてしまったもの(探偵、代行屋、ヤクザ、同性愛者、夜の街の住人達、日本で暮らす外国人)の間にありました。
いまこの分断の線を、恵まれているものと、恵まれていないものではなく。無理やりに日本人と外国人との間に引こうとしている勢力がいます、これは本当に恐ろしいことになるかもしれない予感を感じます。人間は分断の線の向こう側にいる人間は同じ人間ではないとみなす可能性がある生き物です。…完全ワイヤレスイヤホンはこれに決まり
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