Amazon Prime映画視聴323作品目は『湖の女たち』——評価は 7.5/10。暗く重い映画。原作は吉田修一。
琵琶湖近くの介護療養施設、もみじ園で100歳の老人が不審な死を遂げた。殺人事件とにらんだ西湖署の若手刑事、濱中圭介とベテランの伊佐美は、容疑者と見なした当直の職員・松本への強引な追及を繰り返す。その捜査の陰で圭介は妊娠中の妻がいながら、取り調べ室で出会った介護士、豊田佳代への歪んだ支配欲を抱き、佳代も極限の恐怖のなかで内なる倒錯的な欲望に目覚めていく。一方、東京からやってきた週刊誌記者、池田は、17年前にこの地域で発生した薬害事件を取材するうちに、もみじ園で死亡した老人と旧満州との関連性を突き止める。時を超えて浮かび上がったその新たな謎は、いかなる真実を導き出すのか。そして厳かに静まりかえった湖のほとりで、後戻りできないインモラルな関係に堕ちていく圭介と佳代の行く末は……。
映画としては、とにかく暗く、重い。かなりの社会派の映画で、その社会派の部分は予備知識があれば調べこんだ正確な情報をベースに小説的解釈を加えていることは伝わります。二つの大きな問題、一つは、薬害HIVの問題と731部隊のつながり。もう一つは、滋賀の元看護助手の警察による自白強要と冤罪事件です。二つの問題は予備知識をもっていればかなり事実を踏まえた上で小説的に仕上げていることは理解できると思います。救いようのない体質で犯罪者をでっちあげ人がどんどん腐っていく警察組織もリアルだし、731部隊が中国人を人体実験する中で、同じように人の命をもてあそぶ日本人の少年達の犯罪を見て見ぬふりをする医師の妻の存在もリアル。新人刑事役の福士蒼汰さんと、彼と共依存性的倒錯の相手の松本まりかさんの、歪んだ関係はちょっと僕には説明不足でよくわからなかった…。普通にみれば人の弱みに付け込んで、性の捌け口にする新人警官はただのクズという話ではないのかコレ?共依存の部分がどうもよくわかんないな。どうも女性の側の人生過程で父との関係でもともと性的な支配関係があって、それがいまにつながっているっぽいのはわかったけど。あと実際の殺人犯は誰か?という部分は話の暗さをより暗くしていきますね、社会が不正義を隠ぺいしつつ、戦争が起こる中で、その社会の中で子ども達も狂っていく…。それが戦前であり、現代日本がむかっている先である、と。
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