京都在住シングルファーザーおじさんのつれづれ雑記帳

京都在住おじさんによる匿名の日記です。ネットのすみっこでひっそりと生きています。ただいまシングルファーザーとして生きてます。備忘録ブログ

かわぐちかいじ「空母いぶき」雑感

  

 かわぐちかいじ海上自衛隊描く「空母いぶき」。連載開始からずっと読んできていましたが、ここにきて随分面白くなってきていると感じます。

 僕がかわぐちかいじがさすがだなぁ、うまいなぁと、このマンガを面白くしていると思う点がいくつかあります。

 一つは、この漫画は、日本の自衛隊の空母保有、そして尖閣諸島をめぐっての中国人民解放軍との戦闘という非常に現代的に重たいテーマを描いているんですが、単純に中国憎し的な描き方をしていないところです。もちろん全体として日本よりの話であることには間違いないんですが、こういう漫画下手をすると愛国的なカラーに染まってもおかしくはないわけですが、そこはさすがかわぐちかいじ、日本と中国のどちらが正義であるというような単純な二元論はきちんと排していると思います。そこがこの漫画をある種イライラせず読める中身のベースになっているように思います。

 二つは、かわぐちかいじはよくもわるくもエリート主義で英雄史観ではあると思うんですが、この視点はかわぐちかいじにあってはどの国にも平等に描かれます。したがって、中国軍パイロットも狂信的な兵隊みたいなものではなく当然かっこいいエリートとして描かれます。このあたりの平等さがやはり漫画としての面白さを担保しているように思います。

 三つですが、戦闘シーンでなくなっていく者をちゃんと見せることです。自衛隊F-35人民解放軍の殲を撃墜するシーンなんかもちゃんとそこに人が載っていることを描くわけです。このあたり「永遠の0」なんかとは大違いだと感じます。

 結論的に言えば、かわぐちかいじは細かいことにこだわっているし、いろんな面で慎重な態度を持ちながらこのマンガを書いているのが、このマンガの生命線になっていると思います。