僕の生活の中から、何気なくみるものがテレビじゃなくなってyoutubeになってもうどれくらい立つのか、わからないな・・・家にテレビないし(笑)
youtubeっていうのは本当に玉石混交の世界で・・・と前置きはおいておいて、今日見ていたのは。
ただの車上生活者(チャンネル登録者数 547人)を見てました。
アルバイトで生計をたてながら車上生活をしている男性が車上での毎日をただ綴るだけの動画です。動画をみていくと「ただの車上生活者」の生活や素性、考えていることがわかります。車上生活をしながら、僅かな賃金から奨学金を返す日々。各種の支払いも生活にのしかかる、前向きであったり、後ろ向きであったりするトークの節々に教養と才能を感じます。
そういえばリーマンショックのあとに出てきた芥川賞が「苦役列車」でした。主人公は社会の中であぶれた人物を赤裸々に描いたものでした。「中産階級」を自認するひとたちが、見ずにきたものを急速に可視化して、不快感をよびおこすあの作品を僕はとてもよく覚えています。あのとき「苦役列車」にリアルをみました・・・あれから10年。一体、いまはどうなのだろう・・・。
そして、2021年、ユーチューブでみる「ただの車上生活者」は「苦役列車」よりも圧倒的な存在感です。そこにはただの「現実」しかない、それが作品になり、文学になっている。ドキュメンタリーそのもの。
この「ただの車上生活者」には、僕が、いまこのぬくぬくとした部屋でブログを書いている僕がいる場所と完全に地続きの現実、その間にいったいなんの線があるのだろう。なにかあったとき、確実に弱いものからしわ寄せがいく社会になっていると思う。いいわけがないと思う。