京都在住シングルファーザーおじさんのつれづれ雑記帳

京都在住おじさんによる匿名の日記です。ネットのすみっこでひっそりと生きています。ただいまシングルファーザーとして生きてます。備忘録ブログ

アマプラで映画視聴121「渇水」(8.5/10)、生田斗真さん主演の名作誕生ですね…。

アマプラで映画視聴、121作品目は邦画の「渇水」でした。

日照り続きの夏、市の水道局に勤める岩切俊作(生田斗真)は、同僚の木田(磯村勇斗)とともに来る日も来る日も水道料金が滞納する家庭を訪ね、水道を停めて回っていた。妻(尾野真千子)や子供との関係もうまくいかず渇いた日々。県内全域で給水制限が発令される中、岩切は二人きりで家に残された恵子(山﨑七海)と久美子(柚穂)の幼い姉妹と出会う。父は蒸発、一人で姉妹を育てる母(門脇麦)も帰ってこない。困窮家庭にとって最後のライフラインである“水”を停めるのか否か。葛藤を抱えながらも岩切は規則に従い停水を執り行うが―。

原作の発表は1990年です。90年代中盤に大学生だった僕はよく覚えています。あの頃「新しい貧困」が言われ「福祉が人を殺すとき」という本を僕も大学生で読みました。

高度経済成長で日本が豊かになる中で、行政が簡単に人を見放し「死」すらつきつけられるような日本社会の現実…そんな背景の中で「渇水」は書かれ、社会的評価を得た。ところがあれから20年たち、日本では貧困はもはや隠されておらず表に見えるものに…そんな現代にリメイクして映画化された「渇水」、主演は生田斗真さん。日本の社会の現実を闇として暴くのではなく、普通の人間が「ルールだから」粛々と執行していく様子が恐ろしくもあり、よく描けている映画です。ここの生田斗真さんの演技が抜群だと思いました。葛藤しながらも水を止め続ける、その先にあるものをみようとせずに、しかし、見てしまったときに、どうするか?誰もが問われる課題だと思います。そして自己責任論がまん延する日本社会特有の世の中の冷たさもよく描けています。とても面白くてよい作品でした。そして生田斗真さんと子役の演技はすごい。いま日本映画が最も面白のこのジャンルだと思う。自己責任がまん延するゆがんだ日本社会の現実。