ネットカフェで映画を見るのがわりと好きです。というかネットカフェが好きかな。
やっぱり若干薄暗く、独特の雰囲気があるネットカフェでは、ちょっとくらい映画を見るのを好んでいます。いままでネットカフェで見たのは渇きとアウトレイジです。この二つは見ておいてほしいですね。
で、今回みたのは「愚行録」です。結論から言うと圧倒的に暗い作品です。嫉妬を中心にした悪意と現実の残酷さを抽出して先鋭化させたという感じかな?人間はだれしもこういう面はもっているということをつきつけてはきますよね。
そこに階級社会への批判も入ってきます。まわりのものは利用しながら階級社会から上のクラスにあがろうとする野心家の2人が、いったいどうなったのか?という点がほんとのテーマなんですかね、映画ではちょっと、わかりずらいけど。
ミステリーの部分とか設定は正直ツッコミどころ満載です。悲惨な一家殺人事件はなぜ起こったのか?という点など、正直、おいおいと思いました。いくらなんでも無理でしょソレはと。
あと主人公兄妹の設定はかなりおかしい。あれだけの不幸な家庭にあって、悲惨な目にあいつつ、「努力したから」超名門大学にはいって通えたり、週刊誌の編集者になってたりして…現実離れしてます。ただ、そんなこんなのいろいろ不備な点を満島ひかりさん先頭に役者の演技力でカバーという作品でした。
小出恵介さんといい、満島ひかりさんといい、松本若菜さんといい、全体的に役者ははまってますね。マジで。その意味では確実に見る価値のある作品です。映画における役者の存在の大きさをみせつけてくれます。むしろ妻夫木聡さんが見劣りするくらいなんですよ。これはすごいことだと思いましたね。