「首里の馬」を読みました。
もともと2020年の上半期の芥川賞である高山羽根子さんの「首里の馬」と直木賞の馳 星周さんの「少年と犬」の両方にちょっと惹かれていたんです。新聞で受賞インタビューをみたこともあって。
で、結局買ったのはこちら。沖縄をテーマにした芥川賞の小説というのに興味があったし、タイトルと、本の絵と帯の文章から中身がまるで想像できないのにも惹かれたので・・・沖縄にも惹かれているんですよ。
ということで、購入して読み終えました・・・以下、わらわらとした感想です。ネタバレなしなので、読んでもわからないかも。
小説を読み始めてすぐ思ったこと・・・主人公の名前が「未名子」なんですよ。少し変わった雰囲気の名前だなぁとすぐに思ったんです。どんな意味が込められているんだろうな、と。もし自分が小説を書くとしたら(書けないし、能力ないけど)、主人公の名前ってこだわると思うんですよ。現実の子どもの名前以上にこだわると思う、だって現実の子どもの人生は、親のものじゃないから究極的には親のつけた名前は人生には、あまり関係ないと思うんです。けれど小説の主人公は違う。物語は「完結」するわけだから、名前はリアルに存在する人々のものより「意味」があってもおかしくないと僕は思っているので。そして最後の最後まで作者が主人公につけた「未名子」という名前の意味を考え続けていました・・・この名前にはとても意味があるということは本を最後まで読めば思うかもしれません。僕はなんだかずっと意味を考えてました。
物語は、沖縄の資料収集を手伝う「孤独」な女性「未名子」が主人公。彼女の仕事は世界の僻地で「孤独」に暮らす人たちとにクイズをだすという、なんとも不思議なお話。文章故か、謎故か、テーマ故か、この物語は中盤から一気に読ませる物語です。不思議な物語なのに、現実感と生活感がすごくあって、読むものに、現代社会を生きるもにに、いろいろなことを考えさせられる小説です。
書かれている一つ一つにとても意味があり、文字通りの純文学だと感じました。
と、いうことで、ぜひ読んでほしい。
最後尻切れトンボみたいなレビューだな・・・(笑)