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アマプラで映画視聴㉖「項羽と劉邦 鴻門の会」~権力者観について考えてみた~

  ちょっとすきま時間で細切れでみるもの探してて・・・これかなと思ってみました・・・「項羽と劉邦 鴻門の会」です。

項羽と劉邦 鴻門の会(字幕版)
 

 鴻門の会、咸陽に先にはいり秦を倒した劉邦。怒った項羽に謝罪しに行って殺されそうになるけど、逃げてきたっていうあの有名な場面です。この映画普通の項羽と劉邦なのかなと思って見はじめたのですが…予想してたのとは違って、かなり面白かった。なんか舞ってるシーンとか、回想で眺めてるシーンとか、けっこう長めにあるので、10秒スキップを使いながら見てると…1時間ちょっとで見れると思います。あと余談ですが本作イケメンがメインの映画です。主要な登場人物みんなイケメン。

 項羽と劉邦というよりは、そこに韓信を加えて、項羽劉邦韓信、それぞれ。ただの野盗の親分だった劉邦が、絶対権力者になった後どんな姿なのか?ということがテーマの映画のように思いました。基本は権力を獲得した晩年の劉邦の回想シーンを交えながら、リアルタイムで進行する韓信の処刑までが描かれます。本作における登場人物は少なく、項羽劉邦韓信、呂雉、 張良、蕭何、項伯、あとの登場人物はチラッとでる程度です。本作のもう一方の主人公は韓信を殺すため暗躍する劉邦婦人の呂雉です。

 それにしても、どこまでも気高く、威風堂々とした項羽という描き方。それに対して卑屈な劉邦。面白いなと思ったのは、項羽が咸陽の焼き討ちを決めるシーンです。項羽が咸陽を焼いて、その後すぐに論功行賞をし各地に王を封じるのは、秦のような統一国家ではない自由な連合国的な中国づくりを目指してのことという描き方。それに対して、劉邦韓信という2人は、圧倒的な咸陽の権力にふれた瞬間に権力にとらわれ、その虜になるという描き方です。うーむ、なるほど。劉邦側の描き方は別として、項羽の側が秦とはまったく別の春秋戦国以前の国家づくりを意識的に目指したというのは、これはあり得ますよね。略奪はまったく描かず焼き討ちの理由も全部そこにしちゃうのはどうかとは思うけど・・・

 始皇帝の都、当時の咸陽の都のすごさというのは、ちょっといまから見ても想像のつかないほど立派なものだったのだろうなぁ・・・このあたりの暗い雰囲気の映像は見る価値あり。そして権力を手にした劉邦と呂雉は、もともと何ももたなかっただけに逆に権力を追われることを恐れて、敵対者の存在に怯え、ついには韓信を処刑することになります。張良や蕭何の活躍シーンはほとんど描かれず、韓信の活躍シーンは回想で描かれる。

 思うのですが、権力者観、為政者観という意味ではわりと深い作品です。深読みすれば権力維持に汲々とする現在の中国共産党の政権の窮屈さにもつながる作品でもあるような気もしました。これは2012年の作品ですが・・・リアルタイムでつくられているいまの中国の映画・ドラマはどうなのか?と気になりました。

  ちなみに、宮城谷昌光さんは圧倒的おすすめです↓ひととり読んでおけばこの映画も絶対楽しめるとは思います。

劉邦 (一) (文春文庫)

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劉邦 (二) (文春文庫)

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劉邦 (三) (文春文庫)

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劉邦 (四) (文春文庫)

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