京都在住シングルファーザーおじさんのつれづれ雑記帳

京都在住おじさんによる匿名の日記です。ネットのすみっこでひっそりと生きています。ただいまシングルファーザーとして生きてます。備忘録ブログ

アマプラで映画視聴94「コリーニ事件」。ratingは7/10、がっつり社会派映画です。

アマプラで映画視聴、今回で94作品目になります。しばらくホラーやテーマは軽めの作品をみていて、ちょっと社会派をみたくなりこの作品を選びました。ネタバレを含む解説になります。個人的なratingは7/10。想像以上にガッツリ本格の社会派映画でした。みている人にも突き刺さるテーマ性をしっかりと提起しているのもよい、ぜひみなさんにも見てほしい映画のひとつです。

新米弁護士のカスパー・ライネンは、ある殺人事件の国選弁護人に任命された。30年以上、ドイツで模範的な市民として働いてきた67歳のイタリア人コリーニが、経済界の大物実業家を殺害したのだ。ライネンにとって被告側弁護士として初めて手掛ける大きな事件。だが被害者は少年時代からの恩人だった。事件について一切口を閉ざすコリーニ。ライネンは事件を深く調べていくうちに、想像を超える衝撃の真実に向き合うことになる。(c) 2019 Constantin Film(アマゾンプライムより)

結論的に言えば、第二次世界大戦ナチスドイツのおこなった犯罪行為が今も残されたもを苦しめている問題を鋭く提起しています。単なる告発ドラマではなく、被害者遺族の心の傷は何十年たってもいえないことをよく示していますし、それだけでなく、戦後世代に対しても考えるべき単純でない感情の問題も重層的に提起という内容。このあたりのドラマの描き方はさすがです。主人公の新人弁護士をルーツをトルコに持つ設定したことで、彼はいわばルーツとしては加害にも被害にもかかわっていません。そのこともあって、戦後世代が何をどう考えるべきかという問題提起はわかりやすくなっていると思います。僕もこの映画をみるまで知らなかったのですが、ドイツにおいても戦後ナチスの元関係者が政権の内部に復帰する中で戦争犯罪人を免罪するような法律を作成したりしているのですね…全然知らなかったです。

よく戦争犯罪に関しては「他の国もやっていたのでは?」「いつまであやまればいいのか?」などの意見が、どの国でも出されます。この映画のテーマでもあるのですが、戦争という異常状態のもとで自分の祖父やルーツが犯罪者であるということを認めるのは辛いことではあると思います。しかし、認めることでむしろ次の戦争を生み出さないことにつながるのではないのかなと僕は思ってます。

レーティングが7/10のマイナスの部分は、ドラマの人間関係がちょっとありえなすぎる設定だったことです。あとわりとみんないい人って感じでまとまってた点ですかね。とくに「悪役」の教授・弁護士役の人がスマートすぎた点です。こういう人って現実にはもっとわかりやすくしつこく悪い面あるやつな気がする…。