京都在住シングルファーザーおじさんのつれづれ雑記帳

京都在住おじさんによる匿名の日記です。ネットのすみっこでひっそりと生きています。ただいまシングルファーザーとして生きてます。備忘録ブログ

アマプラで映画視聴165「ぼくらの七日間戦争」(8.5/10)、大人の欺瞞性を正面から

アマプラで映画視聴165作品目は「ぼくらの七日間戦争」でした。個人的レーティングは8.5/10です。結論、昔見た時より何倍も感動してしまった。劇場公開時は1988年。あの頃リアルタイムで見たとき、たぶん僕は主人公たちと同じ中学生。恥ずかしながら、あの時、同じ世代として見ていた時にはわからなかった強いメッセージ性をいま見たら感じてしまいました。

「インチキな大人に宣戦布告!!」青葉中学1年A組の生徒8人が、ある日突然、姿を消した!?あわてふためく大人達。しかし彼らは町外れの廃工場に立てこもっていた。先生達は連れ戻そうとするが、生徒達は奇想天外な作戦でこれを撃退する。ついに怒った大人達は機動隊を出動させるが…。 果たしてこの勝負、どちらが勝つか?迎え撃つ子供達の運命は?史上最大のイタズラが今、爆発する![角川映画]

時代背景ですが、この映画ででてくる厳しい校則、先生による生徒の管理、体罰の横行は、当時は全部あたりまえだったんですよね。中学によってはもっと厳しいところもあったと思う。僕の中学も暴力教師が配置されて、暴力を平然とふるってた。この映画のあと神戸高塚高校校門圧死事件が置きます。実際に校門を強制的に閉める行為で、女子生徒が死亡する事件が本当に起こるわけです…。そうした校則のもとでリアルタイムで生きていた中学生のひとりとしては、その校則をそんな酷いことと受け取ってなかったけど、いま思い返すと本当に酷い理不尽だった。映画では、そうした学校に「反旗」を翻す中学生たち。今見返すとこども達の「インチキな大人に宣戦布告!!」というメッセージはとても大切なもののように思う。娯楽映画でもあるので、ドンパチ、ハチャメチャだし、子役の演技もそこまでうまくないし、宮沢りえは別格で圧倒的に輝いているし…そういう映画なんだけど。いまみると本当にメッセージ性が鮮明な映画。子どもにルールを押し付ける側の大人たちは団塊世代、押し付けられる側は団塊ジュニア学生運動安保闘争に敗北した団塊世代が完全に体制側にまわったことを描いている映画でもある。機動隊にむかって「突撃、(生徒たちを)殺せ~」と叫ぶ校長は恐らく戦前世代。

大人はいつも子どものためにとうそぶいて、秩序やルールを押し付ける側にまわるけど…その欺瞞性を子どもは十分に見抜いているんですよね。ルールを守れという大人たちは、当時でも法律では禁止されていた筈の暴力を平然と生徒達に振るっているわけだし。世の中は、ルールや秩序よりも、正義のが大事なんですよね、たぶん。正義のために動き、欺瞞や不正を許さずに行動する勇気、そういうことこそ教育は教えないといけないのに…「ルールを守れ」の大合唱はむしろそうした正義を押さえつけるために使われる側面は確実にある。

安倍内閣の文書改ざんは象徴的でした。ルールを作る側(権力者)はいつも平然とルールを破り、そのことを弱いひとたちに押し付けている。にもかかわらず自分以外のものにむかってはルールを守れと叫ぶわけです。僕も、社会や会社の中で、自分より若い人にルールを押し付ける側にまわってないかな…自問自答です。