京都在住シングルファーザーおじさんのつれづれ雑記帳

京都在住おじさんによる匿名の日記です。ネットのすみっこでひっそりと生きています。ただいまシングルファーザーとして生きてます。備忘録ブログ

アマプラで映画視聴145「スワロウ」(8/10)、アメリカ版のキム・ジヨン?かな

アマプラで映画視聴、145作品目は「スワロウ」でした。個人的レーティングは8/10です。異食症を扱った一風変わった映画ですが…アメリカ版の「82年生まれ、キム・ジヨンといった感じもします。

完璧な夫、美しいニューヨーク郊外の邸宅、ハンターは誰もが羨む暮らしを手に入れた。ところが、夫は彼女の話を真剣に聞いてはくれず、義父母からも蔑ろにされ、孤独で息苦しい日々を過ごしていた。そんな中、ハンターの妊娠が発覚する。待望の第一子を授かり歓喜の声をあげる夫と義父母であったが、ハンターの孤独は深まっていくばかり。ある日、ふとしたことからハンターはガラス玉を呑み込みたいという衝動にかられる。彼女は導かれるままガラス玉を口に入れ、呑み下すのだが、痛みとともに得も言われぬ充足感と快楽を得る。異物を“呑み込む”ことで多幸感に満ちた生活を手に入れたハンターは、次第により危険なものを口にしたいという欲望に取り憑かれていく…。Copyright (C) 2019 by Swallow the Movie LLC. All rights reserved.

…僕もそうですがあの映画のテーマなどに興味がある人は是非みてほしい。異食症という異物を飲み込むことで快楽を得れるというか、現実逃避するという精神障害を描いているんですが、お金持ちの家族と結婚した主人公が、疎外感を感じているところからはじまり、一見優しくみえる(まぁ実際に優しい…)夫とその家族も、家父長制的な伝統的思想のもとで、一方で極めて自己中心的な人物であり、一皮むけば主人公のことを対等な「人間」としては見ていなかったということがどんどん浮き彫りになっていきます…という前半から中盤。後半の急展開は、ある種の予想外の方向にすすみます。特に主人公が自分のトラウマと対峙し、その相手からかけられる言葉から得るシーン。

 上っ面だけで自己中心的に生きている金持ち一家との対比で、この最低なはずの犯罪者の描き方はけっこう考えさせられるものがあります。そしてエンディングシーンへ。この映画はトイレが主人公の変化、成長の鍵になる場所として描かれます。エンディングはほんととてもよいです。キム・ジヨンよりむしろ力強いです。

 それにしてもこれがアメリカの映画だということに少し現実が垣間みえて興味深かったです。家父長制イデオロギーが残っていて女性を抑圧するのは、韓国や日本ならまだまだ普通のことだけど、アメリカでもこういう映画が描かれるんですね。逆にアメリカの上流階級はこういう意識は韓国や日本より強い可能性も感じました。アメリカの場合は上流階級じゃないとこはここまで家父長的意識残ってなさそうな気もするけど…面白い作品なので視聴はオススメです。