アマゾンプライムでの映画視聴
59作品目。
「犬神家の一族」を
視聴しました。
この作品、ちゃんと見たことはない人でもスケキヨのことはだいたいの人が知っているという…作品です。
石坂浩二さんの金田一シリーズ視聴も三作目。この勢いでアマゾンプライムで全作品をみてしまおうと思ってますが、一方で、このシリーズもうだいたいわかったという気持ちもあり、ここでやめるか悩んでいます(笑)。
さて横溝正史の金田一シリーズの特徴、さすがに三作を立つ続けにみたから自分の中では…わかってきました。一つは、日本社会が急速な近代化をすすめると同時に前近代性的な性格を有するためおこる構造的理不尽からくる悲劇を描いている作品だということ。二つは、男性社会における男の身勝手な行動が根源にあり、そこから女性や弱いものが虐げられる社会構造が問題の背景にあるということ。だと思えてきました。ただ、この作品はそうした社会構造を描きたくて描いているわけではないのかもしれません。むしろ現代(いま)という地点から、この作品をみたときに、ジェンダー視点での男性の構造的暴力、家族という縛りからくる暗い影…当時からみれば、誰もに当たり前のように存在していて、その理不尽さも、平時はいまほど理不尽とは感じておらず、ほんのちょっとの偶然の連続でその理不尽さが「爆発」する作品として描かれているのかもしれない、と思ったりもしました。
「犬神家の一族」は、繰り返しリメイクされている作品だけあって、さすがに面白いです。サスペンス好きなら教養的にも、この作品見ておくのは意味があると思います。しかもストーリーも比較的わかりやすいです!家父長制と戦争の悲劇が重なっておこる殺人事件です。
あと全作品に役者が違う役で共通の人物が登場しているのは、面白いなぁと思いました。例えばどの作品も、捜査にあたる警察は加藤武さんが演じていて、なにかあるたびに「そうか、わかった」というシーンはおきまりのシーンとして描かれる。大滝秀治さんも役が違うだけで必ず同じようなポジションで登場して、同じような演技をみせてくれる…などなど…基本的にかなり同じ役者さんが違う役で登場します。凄惨な内容のサスペンス作品をちょっとしたユーモアをもって見れるものとして仕上げています。このあたり監督・演出の力量の高さだと思います。
ということで…今作品も面白かったです。まぁ定番の作品なので面白くないわけはないけど…。
あと、今回は加藤武演じる警視庁がピカピカのジープで疾走してくるシーンがあるんですが…このジープが現代でも普通にみるようなものなんですよね、走行している姿も含めて…ああ、そうか内燃機関の自動車の骨格って、いまと50年前でほとんど変わらないんだなって思っていまいました。いま起こっている自動車の内燃機関から電気へのシフトというのは100年、200年ぶりくらいに起こっている転換点なのだと。