さて、アマゾンプライムで映画視聴も33本目です。前回はファーゴ、不思議な魅力の映画でしたが・・・今回みたのは・・・
7つの会議、です。
アマゾンプライムが、毎回一番上にもってくるので、見てみました。ストーリーはとくに難しくありません。一度普通にみれば全体像をほぼ完璧に把握できる中身だと思います。
以下、ネタバレあり。けど、ネタバレを知っていても映画としては面白いとは思います。
売上をあげ目標を達成することを至上命題とする中堅企業がデータを偽装し、欠陥商品を大規模に世間に売りつけているという重大な事実。この事実に気づいたぐうたら社員(野村萬斎)を軸に物語はすすんでいきます。
・・・不正の内容は韓国映画の「一級機密」に近いかな。
ちなみに実話ベース一級機密はこういう類の企業や権力による不正ものでは、相当レベルの高い作品でした。
物語は、最低限守るべき法律や、人として必要な倫理観が、企業社会の中で簡単に踏みにじられ、社員たちが犯罪に加担していくさまが描かれます。みんな自分の行動を「儲けのためになら仕方ない」に合理化していく。そんな中、野村萬斎演じるぐうたら社員が、それに抗います。そしてそこに感化される「正義」の社員たちがの行動が最後には勝利する・・・うーん、まさに池井戸小説の真骨頂です。
いろいろあっても最後は遠山の金さんレベルでスカッとさせてくれます。
ただ、現実の世界には同じような不正は横行していますが、野村萬斎はおらず財務省の赤木さんのような悲惨な事件がおきていることは・・・忘れたくない。
映画としてはホント普通に面白いです。野村萬斎を筆頭に登場する歌舞伎役者たちの演技を視聴する映画でもあります。薄気味悪い笑い方をするぐうたら社員の野村萬斎の演技に当初リアリティーは感じなかったのですが、不思議なものでみているうちにどんどんと引き込まれます。物語後半、切れ味鋭い態度に切り替わってからの野村の演技はさすが・・・それ以外にも役者たちひとりひとりがはまり役です。気が弱く流されるタイプの普通の優秀な人なんだけれども、人として守らなきゃいけないものは守って生きる及川光博さんの演技が、香川照之さんや野村萬斎さんら歌舞伎役者との対比でも光っている気がしました。
面白かったです。