アマプラで映画視聴295作品目は「狂気の桜」でした。個人的レーティングは7です。
渋谷のストリート、若きナショナリストの結社が誕生した。特注の白い戦闘服を身にまとい、半端な不良どもを狩っていく3人。それは、自分たちが育った渋谷の街から、汚いゴミを掃除することでもあった。そんな中、右翼系の暴力団・青修同盟の会長の靑田と出会ったことから、青修同盟内の陰謀に巻き込まれ、生きる場所を奪い合う生存競争に3人は呑み込まれていく…。
当時の超話題作を今回アマプラで初視聴となりました。窪塚洋介、須藤元気、RIKIYAの若き俳優たちの爆発的なエネルギーと、江口洋介の重厚な演技がとても見事です。平成維新を気取る主人公たちは、薄っぺらな右翼思想に傾倒した愚連隊。彼らの"浄化"と称する行為は、実際はチンピラ襲撃、金品強奪、女性への暴行といった外道行為に過ぎません。そんな彼らが右翼組織に利用され、救いようのない末路へと向かう姿は、ある種の青春グラフィティとして引き付けられます。
特にいまさらですが窪塚洋介の圧倒的な存在感。本作は彼の俳優としての輝きが最も際立った時期に撮影された伝説的な作品でしょうね。25年前の渋谷が持つ退廃的なエネルギーが画像から溢れ出ており、当時と現在の街の変容も感じさせます。興味深いのは、映画ではインテリを気取る読書家の窪塚が主人公。筋肉派が須藤という役柄でしたが、現実では須藤が政治家に、窪塚がわりと普通のマルチタレントとして活躍しているという対照的なその後の展開です。