京都在住シングルファーザーおじさんのつれづれ雑記帳

京都在住おじさんによる匿名の日記です。ネットのすみっこでひっそりと生きています。ただいまシングルファーザーとして生きてます。備忘録ブログ

アマプラで映画視聴175「ニトラム/NITRAM」(8/10)、これは見ていて重い…

アマプラで映画視聴175作品目は「ニトラム/NITRAM」でした。個人的レーティングは8/10です。高評価ではあります。「赤い闇」「ゴヤの名画と優しい泥棒」と、実話ベース映画3連発です。ベースになっているのは、タスマニアのポートアーサー事件です。「1996年4月28日にオーストラリア・タスマニア島の観光地、ポート・アーサーで起こった大量殺人事件である。犯人はマーティン・ブライアントで、死者35人、負傷者15人を出した。(ウィキペディアより)」。物語はこの青年が大量殺人事件を起こすまでを追いかけていく。その過程をすぐれた映像と真に迫る演技でみせていきます。

1990年代半ばのオーストラリア、タスマニア島。観光しか主な産業のない閉鎖的なコミュニティで、母と父と暮らす青年。小さなころから周囲になじめず孤立し、同級生からは名前を逆さ読みした「NITRAM(ニトラム)」という蔑称で呼ばれ、バカにされてきた。何ひとつうまくいかず、思い通りにならない人生を送る彼は、サーフボードを買うために始めた芝刈りの訪問営業の仕事で、ヘレンという女性と出会い、恋に落ちる。しかし、ヘレンとの関係は悲劇的な結末を迎えてしまう。そのことをきっかけに、彼の孤独感や怒りは増大し、精神は大きく狂っていく。(C)2021 Good Thing Productions Company Pty Ltd, Filmfest Limited

僕も、発達に特性があるだろう子と暮らしているから、これある程度実感的にわかる部分があって、これは重いです。物語にでてくる見守りややさしさで対応して、厳しい部分を妻にまかしている父親も辛い、うーむいろいろ考えてしまい、見ていて自分にかえってきてほんと重い。今は息子と二人暮らしだからまだいいんですが…もちろん発達の特性といっても程度もあり、まわりの状況もあるから単純ではないけど…ただ、はっきりと言えることは、発達特性や障害がある子どもをかかえている場合、日本社会は親(とくに母親)の役割というのが過度に強調されていて、それが親を必要以上に苦しめている場合が多いと思う。正直、こういうの親にはもうどうしようもないし、親が果たせる「責任」の範囲なんて限られているって思うことも大事です。この映画でも、この事件を起こした犯人の親も、普通の、理解あり、ちゃんと対処しようとしている親として描いています。事件最大の原因は映画でも描かれている「銃社会」の問題です。そういう意味では日本は銃がほぼ完全に禁止されていて、そのことは社会的に凶悪犯罪に対しては非常に大きな歯止めになっています。もし日本で銃が認められていたらと思うと…本当に恐ろしい。とにかく演技も映像もすごくて、そこが見るものを重たくさせますし、いい映画ですが、見ることをすすめることがなかなか難しい映画ですね。